01.アテネ
アクロポリスからアテネ市内[ギリシャ]
私が最も多く訪れた国はギリシャで、これはオリーブオイルの取引量が最大であるためです。始めて出会ったギリシャ(神殿)建築からは感動を受けました。しかし、何度と訪れるうちに二千年以上経過したパルテノン神殿がドリス式オーダーの代表格として、エレクテイオンがイオニア式オーダーの美を極めたものと建築史的には認めるものの、神殿という機能からか、今の私には到底理解できないことも感じてきました。
しかし、アテネの古代市域の中央に位置するアクロポリスはアテネ市民にとって象徴的な存在であり、訪れる人に感動を与えるものであることは間違いありません。
アクロポリス、中でもパルテノンは紀元前の構築物であるが今も建築における特別な存在であり、そのデザインの体系はその後の多くの建築に影響を与えています。
ところで、ギリシャ人はオリーブを愛する国民ですが、オリーブはその土地の気候風土に適した品種があり、ギリシャにはこの石灰質の土壌と相性の良いオリーブ品種コロネイキがあります。 コロネイキはギリシャ全土の60%以上で栽培されている品種で、搾られたオリーブオイルはバランスの良い味わいで、酸化に強い理化学的特性を示します。ギリシャはオリーブオイルの生産量ではスペイン、イタリアに次ぐ国ですが、その品質に優れていることはギリシャ人の誇りでもあります。
神殿建築を巡るうちに一般市民が生活する街並みなどにも美しさを発見するようになってきました。
アクロポリスから下った東側に私の好きな路があります。観光客であふれる場所を少しズレただけで、ここはアテネの安らぎを感じさせてくれます。
アテネ空港のトイレもブルーと白のギリシャカラーでリニューアルしました。女子トイレはエンジと白だそうです。
観光立国であるギリシャですがアテネからタクシーに乗ると必ずと言ってよいほどぼったくられるのが当たり前、しかし2018年から空港から市内までは38ユーロの一律料金になりました。市内の治安は良くなったとはいえ、夜や人通りの少ない路地などはまだ危険を感じます。
アテネは中心の丘に紀元前からのアクロポリスが存在することが他に例を見ない都市のプランですが、その周囲に点在する遺跡も街にとけ込み、アテネの魅力を広げています。